「エンジニア組織論への招待」という本から学んだ言葉の意味について

こんにちは、技術開発部の河村です。 アウトドアメディア、hinataの開発リーダーをしています。

2021年9月-12月にかけてvivit社内で「エンジニア組織論への招待」の輪読会を行いましたが、今回はその中で普段使っている言葉の意味を改めて知ることで目から鱗だったものをまとめてみました。

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輪読会を始めたきっかけ

vivit社内では2週間に1度のペースで1on1を行っており、より1on1が有意義なものになる方法がないかと「メンタリング」というキーワードからこちらの書物に辿り着きました。 それ以外にもチームをより強くするために有益な情報がありそうだったので、社内でも私のようにこの本を読んでみたいというメンバーや一度読んだけど改めてみんなと見解を議論したいという声もあって輪読会を始めました。

どういう書籍か

「どうしたら効率よく不確実性を減らしていけるか」という考え方をもとに、エンジニアリングの課題を解決していく方法が書かれている本です。 最初は思考の整理から入り、メンタリングの技術、アジャイルについて、さらにマネジメントについてなどの組織を設計・運営するための解説がされています。

特に学んだ言葉の意味

この書籍を読んでいて特に感じたのは、普段使っている言葉の意味があまり理解できていなかったり勘違いしていたことでした。 その中でも特に学んだことを以下にまとめてみました。

エンジニアリング

エンジニアリングとは不確実性の高い状態から、低い状態に効率よく移すその過程で行う全てのことです。 (開発をすることはその手段の一つであって、開発=エンジニアリングではありません。)

ここでいう不確実性というのは、「未来のこと」「他人のこと」の2つが挙げられます。 これらをマネジメントすることで事業を最速かつ生産性高く成長させられるようになります。

その不確実性を減らすために、

  • 自分の考えにどんなバイアスや思い込みがかかっているのかを知る
  • 未来の不確実性を下げるために仮説と検証を行う
  • 同じ目的で働いているはずの人々とのコミュニケーションの不確実性を減らす(通信不確実性を排除する)

などといったことを日夜行っているのです。

アジャイル

アジャイルという言葉は、「チームが環境に適応して、不確実性を最も効率よく削減できている状態(自己組織化)」のことを指します。 (私はウォーターフォールと比較対象になると思っていたので、方法論の違いだと勘違いしていました。)

動詞ではないので、「アジャイルをやる、アジャイルをする」という言葉も「アジャイルになる」という言葉の使い方が正しいです。 また1on1で行うメンタリングをチームを対象にして行うことで振り返りや学習という仕組みを取り入れた考え方がアジャイルな方法論、アジャイル型開発とも言えます。 

プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメント

こちらもよく聞く言葉です。(いきなり違いを説明しろと言われてもなかなか難しいかと思います。) まず大きな目的の違いとして、プロジェクトマネジメントは終わらせること、プロダクトマネジメントは終わらせないことという違いがあります。

プロジェクトマネジメントは資源や資産、リスクを管理して効果を最大化する方法のことです。 プロジェクトマネージャはスケジュールに対する不安を減らし、納期の大幅な超過やプロジェクトを頓挫させないようにしながら効果を上げて終了させることが役割となります。 また、プロジェクトを進める方法がはっきりしていないのでこの方法不確実性に対処していくことが必要となります。

対して、プロダクトマネジメントは「プロダクトが継続的に収益をあげることで終了しないこと」が目的となります。 プロダクトマネージャはプロダクトがマーケットに受け入れられ続けるように物事に取り組むことが役割となります。 また、やってみないと何を作れば受け入れられるかわからないため、目的不確実性に対処していくことが必要です。

さいごに

この書籍では開発面だけに留まらず、ビジネス側とのコミュニケーションなども含めて会社の組織論が書かれていました。 今後は開発部だけでなく、この話を社内に広めてよりvivitを強い組織の会社にしていければと考えています。

今回は「エンジニア組織論への招待」という本から学んだ言葉の意味についてお話ししてみました。

vivit では一緒に働くエンジニアを大募集しています。 これからもメンバー一人一人が自走していけるような環境作りをしていきますので、その中でみなさんと一緒に働けることを楽しみにしています。

いつでもカジュアル面談を受け付けていますので、是非よろしくお願いします。